子どもの成長に合わせたおススメ絵本の紹介

乳幼児

《年齢の目安:0~1歳》

幼児前半

《年齢の目安:2~3歳》

幼児後半

《年齢の目安:4~6歳》


絵本の読み聞かせは親子のコミニュケーション

  絵本の読み聞かせは、「文字が読めないから」、「子どもが自分で本を読めるようになるため」にするものではなく、絵本を通じて親子の時間を楽しむためのものです。

 

 読み聞かせのとき、子どもの頭の中では絵本の世界が生き生きと動いています。耳から聞いた言葉が絵の世界をどんどん動かしていき、耳で聞いた世界と目で見た世界が子どもの中で一つになります。子どもにとっては、頭の中で新しい世界が広がっていく、心地よく楽しい時間です。

 

 絵本を通じて、このような「心地よい」「楽しい」という気持ちや、言葉・時間を共有することが、親子の心のふれあいにつながり、親子のコミュニケーションをより豊かにします。

 

 子どもの頃に絵本を読んでもらった心地よい記憶は、大人になっても心の中に残っていきます。たくさんの絵本に出会い、絵本を通じた親子のふれあいを楽しんでくださいね。

 

◆宮崎県立図書館 児童室担当
司 書(絵本専門士) 木村 浩子 さん



耳をすまして言葉に反応する
表情の違いが理解できる
絵や色に反応する

真似して声を発する

五感を感じられる

 


 この時期は、親が楽しそうに読むと、嬉しい・楽しいと感じて絵本に興味を持ちます。特に音が出ている口元や表情をみてから絵本を見るので、読む側の表情と絵本がみえるように抱っこして読むのがおすすめですよ。書かれている言葉やページの順番にはあまりこだわらず、音やリズムを楽しみながら、絵を見て語りかけましょう。

 


《この時期のおススメ絵本》

★ 音、リズム、五感を
葉で感じられるもの

もこもこもこ
作:谷川 俊太郎 / 絵:元永 定正
(文研出版)

きれいな色の絵とオノマトペ※で書かれた不思議な絵本です。「もこもこ」「にょきにょき」と、いっしょに動いている気分になります。絵本の世界にいつの間にか引き込まれ、赤ちゃんも楽しめる一冊です。

※ オノマトペ:擬音語・擬声語・擬態語で表現されているもの

★ 色がカラフルで

絵がシンプルなもの

くっついた
作:三浦 太郎
(こぐま社)

ページをめくると、「くっついた!」のくりかえしが気持ちよく、読んでいる方も楽しくなる絵本です。親子で「くっついた!」とふれあいを楽しめて、あたたかい気持ちになれる一冊です。

 

★ 語りかけを楽しむ

文字のないもの

どうぶつのおやこ
作:薮内 正幸
(福音館書店)

動物の親子のようすが、細かな部分までリアルに美しく描かれている絵本です。文字はありませんが、絵をみながら子どもに語りかけ、やりとりを楽しみましょう。

 



言葉の理解がすすむ
行動範囲が広がり興味関心が増える

身の回りの物の名前を覚える
自分で遊ぶようになる

 


 絵さがしなど、遊びの延長で楽しめる本や、子どもが興味をもった絵本を一緒に楽しみましょう。また、興味を持ったものに関連する絵本を読んでみるのもおすすめですよ。この時期は、おはなしを聞きながら、絵を見て指をさしたり、言葉に出すことが増えてきます。ひとつひとつ受け止めながら親子で会話を楽しみましょう。

 


《この時期のおススメ絵本》

★ 音、リズム、五感を
葉で感じられるもの

きんぎょがにげた
作:五味 太郎
(福音館書店)

子どもたちが大好きな絵探しの本。ページをめくるたびに、にげたきんぎょがどこかにかくれています。どこに隠れているのかわかったあとでも、何度も何度も読みたくなる絵本です。

 

★ 色がカラフルで

絵がシンプルなもの

ぐりとぐら
作:中川 李枝子 / 絵:大村 百合子
(福音館書店)

野ねずみのぐりとぐらは森で大きな卵を見つけました。大きな卵からは、大きなカステラができました。おいしそうなカステラを一緒に分けてもらっているような、幸せな気持ちになれる絵本です。

 

★ 「好きなもの」に関連した知識絵本(花・虫・動物・車など)

くさはら どん
作:松岡 達英
(福音館書店)

くさはらに「どん」と足をふみいれると、たくさんの生き物が飛び出してきます。歩き始めた子どもの足元に広がる自然を感じることができる絵本です。図鑑のような細かな描写は、大きくなってからでも楽しめる一冊です。

 



文字に興味をもつようになる
想像力が豊かになる

身の回りの人との関係を理解できる
相手の気持ちがわかるようになる
感情を言葉で説明できるようになる

 


 実際にはないものを想像して楽しむことができるようになります。本を楽しんで最後まで読むことで満足感が得られ、より本が好きになるきっかけにつながります。また、この時期は、どんどん「ものがたりを聞く」経験をさせてあげましょう。もし文字が読めても、まだ絵と文を同時に読むことが難しい時期。親が文を読むことで、そのサポートをしてあげましょう。

 


《この時期のおススメ絵本》

★ 家族や身近な人たちとの

関わりがあるもの

はじめてのおつかい
作:筒井 頼子 / 絵:林 明子
(福音館書店)

「はじめてのおつかい」で体験する、主人公のドキドキする気持ちをみごとに描いています。聞いている子どもも一緒に体験しているかのようにドキドキ。達成できたときの笑顔に思わず共感してしまう絵本です。

 

★ フィクションが

たのしめるもの

三びきのやぎのがらがらどん
絵:マーシャ・ブラウン / 訳:瀬田 貞二
(福音館書店)

迫力ある絵と言葉に引き込まれるノルウェーの昔話。きびしい自然の中で生きるやぎたちは、知恵をつかいトロルと対決します。恐ろしいトロルを前に、順々に橋を渡り終えていく様子にハラハラ。大きなやぎの頼もしさにほっとします。

 

★ 知識絵本

(写真のものがおすすめ)

たま、また たま
作:星川 ひろ子・星川 治雄
(アリス館)

日常のなかにある「たま」を、きれいな写真で紹介してくれる絵本です。お出かけしたら、ついつい「たま」を探してみたくなるかも。自然のものに興味・関心をもつきっかけになりそうな一冊です。

 


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